ショパン:ピアノ・ソナタ 全3曲 楽曲分析 (2015年11月号)
第17回ショパンコンクールの開催に合わせ、ピアノ・ソナタ全3曲の楽曲分析を執筆しました。ショパンのソナタ第2、第3番の分析については5年前にも取り上げていますが、今回は7ページにわたるカラーページで、3曲の全楽章についての構造、その特徴について触れることができました。はじめに、「分析の前に」という項目で、どんなことに注目して分析していくとよいか、検証しています。
ショパン:ソナタ第2番、第3番 (2010年5月号)
特集「ショパンのソナタ 徹底分析!」で、ショパンの3曲のソナタについて歴史的評価や特徴についてまとめたあとで、第2番と第3番を分析しました。2曲とも、第1楽章の再現部で第1主題を再現させない、という面白い共通点があります。
ドビュッシー:月の光 (2008年4月号)
着想の源となったヴェルレーヌの詩集『艶やかな宴』の説明と、作品の完成に至るまでの過程を追いました。何度も改作を重ねていた「渾身の作」であることを強調しています。 分析では、「静」と「動」のそれぞれの楽節を、和音の動きなどを解説することによって対比させました。
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー (2007年11月号)
ガーシュウィンの出世作となった名曲。その歴史的初演の様子や、後の編曲版の普及を紹介しつつ、分析。「8つのモチーフ」「長大なカデンツァ」というふたつの特徴を中心に書いています。
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ (2007年10月号)
宮廷舞曲「パヴァーヌ」の説明に加え、ポリフォニックな書法に着目しながら分析しました。
楽曲分析シリーズ「21世紀に弾きたい曲」
モーツァルト:きらきら星変奏曲 (2001年7月号)
主題である「きらきら星」の民謡のルーツを辿り、モーツァルトの変奏曲のなかで、なぜこの作品が群を抜いて人気があるのか、その謎に迫りました。分析では、各変奏曲の装飾について説明しています。
サティ:3つのジムノペディ (2001年10月号)
作曲家サティの紹介も兼ねて、「家具の音楽」や日本でのサティ人気にも触れました。サティが関心を持っていた「聖三位一体」に関連して、このジムノペディも3曲で構成されていること、また曲中で使われているギリシャ旋法にも言及しています。
リスト:森のささやき (2002年1月号)
リスト最後の超絶技巧練習曲となったこの作品について、まず標題の訳から検証。 原題“Waldesrauschen”は「森のざわざわしたした音からイメージして作られた言葉」である、として「森のざわめき」が作品のイメージにより近いと書いています。 分析では、主題を循環させる「主題労作」について説明しました
ドビュッシー:月の光 (2002年3月号)
ロマン派から印象派への転換期の作品として有名なこの作品ですが、その一つ前の転換期(古典派からロマン派)の代表的作品、ベートーヴェンのソナタ「月光」も月にまつわる作品であることから、 月がどれだけ人々にインスピレーションを与えてきたか、という話を導入としました。 ヴェルレーヌの詩「月の光」も掲載しています。また、分析では、ドビュッシー独特の音色と拍節のぼかしがどのように構成されているのかを説明しています。
モーツァルト:トルコ行進曲 (2002年5月号)
当時、ウィーンで人気のあったトルコの軍楽。「トルコ行進曲」もその雰囲気をあらわした作品です。当時の軍楽隊は「臆病者さえ勇敢になるほど戦闘的な音楽だ」と言われたそうです。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調作品23 (2002年8月号)
8月号締め切りの数日前、チャイコフスキーコンクールで上原彩子さんが優勝したのを受けて、急遽、曲目変更となりました。この作品にまつわるチャイコフスキーとピアニスト・ルビンシュタインのエピソードに触れながら、全楽章を概観しています。
バッハ:イタリア協奏曲 (2002年9月号)
当時この作品を演奏する際に使われた2段鍵盤チェンバロに触れて、この楽器の性能がいかに活かされた作品かを説明しています。また、分析では、第1楽章と第3楽章に使われているリトルネッロ形式を表にして、 形式と強弱の相互関係を示しました。
ベートーヴェン: ピアノソナタ第21番ハ長調「ワルトシュタイン」 (2002年10月号)
ベートーヴェンの「英雄の時代」に書かれた中期ソナタの傑作。このソナタを作曲した年にベートーヴェンが出会ったエラールピアノの特徴に焦点を当て、ベートーヴェンがこの楽器のどんな特性に惹かれて、「ワルトシュタイン」を作曲したのか迫りました。
ウェーバー:舞踏への勧誘 (2002年12月号)
ウィンナワルツの出発点ともなった作品。序奏では、男性が女性にダンスの申し込みをするという設定もあります。ウェーバーが書いたト書きと実際の音楽の関係、その後のリトルネッロ風のワルツの構造を表にしました。
ショパン:英雄ポロネーズ (2003年1月号)
ショパンが生涯にわたって作曲したジャンルであるポロネーズ。 舞曲としての歴史と、器楽曲としての歴史に簡単に触れています。 分析では、ショパンが得意とした「装飾」「10度音程」「減七の和音」が、ここでも効果的に用いられていることを強調しています。
グリーグ:トロルドハウゲンの婚礼の日 (2003年2月号
グリーグのライフワーク的な作品「叙情小曲集」の1曲。メンデルスゾーンの「無言歌集」の影響にも触れています。
ヘンデル:調子のよい鍛冶屋 (2003年4月号)
ヘンデルのハープシコード作品について簡単に説明した後、ヘンデルには借用や改作が多い、という作風の特徴に触れています。作品の成立過程が複雑なので、その説明に、分析と同じくらいの字数を使ってしまいました。
ショパン:前奏曲「雨だれ」 (2003年6月号)
「雨の音楽」や「前奏曲」についての説明を導入として、その後、この作品の最大の特徴と言える「同音連打」と「異名同音を用いた遠隔調への転調」に触れています。
ドビュッシー:ゴリウォーグのケークウォーク (2003年7月号)
「ゴーリー人形」ことゴリウォーグのイラストをどうしても載せたくて、またまた編集部に相談。かわいいイラストを描いていただきました!ケークウォークがどういう遊びか、ということにも触れています(ラグタイム調の椅子とりゲームだそうです)。 分析では、この作品には不可欠の「トリスタン和声」について、詳しく触れています。
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番 (2003年8月号)
連弾作品として不動の人気を誇る作品。家庭音楽として親しまれた連弾作品の歴史にも触れています。また、ブラームスが目指した「ハンガリー的なもの」とはなにか、探ってみました。
メンデルスゾーン:ロンド・カプリチオーソ (2003年12月号)
メンデルスゾーンが15歳で作曲した作品。その徹底した英才教育ぶりを辿り、この作品における「カプリチオーソ的要素」を探しました。
ショパン:子犬のワルツ (2004年1月号)
ショパンの晩年に書かれた有名なワルツ。この当時、ウィーンで流行していたウィンナワルツとの関連や、ショパンが実際に飼っていた子犬の話も出てきます。
バラキレフ:イスラメイ (2004年4月号)
ピアニストであったバラキレフでさえも弾きこなせなかった、という難曲「イスラメイ」。バラキレフが採譜した民俗舞踊「イスラメイ」の説明や、ピアノ曲「イスラメイ」と同じモチーフを使った交響詩「タマーラ」の紹介もしています。 分析では、モチーフの変奏の過程を追っています。
チャイコフスキー:くるみ割り人形(エコノム版)2台ピアノ (2004年12月号)
クリスマスの定番「くるみ割り人形」。 様々な編曲で親しまれていますが、2台ピアノ版(エコノム版)を取り上げました。バレエ「くるみ割り人形」の前宣伝用として作られた器楽版の誕生、そして華やかな2台ピアノ版の特徴に触れています。
バダジェフスカ:乙女の祈り (2005年2月号)
ピアノを習った人ならば、誰もが一度は弾きたいと思う名曲「乙女の祈り」。アマチュアの音楽家であったバダジェフスカの紹介と、「乙女の祈り」の出版に至る経緯、そしてその後の爆発的な人気までを追っています。 初版のときに同時出版された「簡易版」や、その後「第2弾」として出版された「叶えられた祈り」も紹介しています。
バッハ:パルティータ 第1番 (2005年4月号)
バッハの鍵盤作品で最初に出版された「パルティータ第1番」。あまりにも難解で、かつ斬新だったため、出版当時、音楽界に衝撃を与えました。 当時の証言をもとに、その様子に触れています。 分析では、それぞれの舞曲や小品の特徴をまず掴んでから、構造の説明をしています。
ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 (2005年8月号)
ピアノ以外の編曲でも親しまれている名曲。この作品が所収されている「前奏曲集」について説明したあと、この作品に見られるドビュッシー独自の技法「平行和音」「タイの有効利用」「付加6の和音」に触れています。分析では、その3つの技法がいかに曲中に活かされているかを辿っています。
リスト:リゴレット・パラフレーズ (2005年11月号)
リストがヴィルトゥオーゾを引退した後に書いたパラフレーズ。 原曲となったオペラ「リゴレット」や、他のリストの編曲作品を辿りながら、作曲の目的を探りました。 分析では、原曲のオペラがどのように編曲されているか、という点にも注意を向けています。
ショパン:ソナタ第3番 (2005年12月号)・・シリーズ最終回
ショパンの3曲のソナタを紹介し、ショパンにとってのソナタについて、そして作品にみられる即興性について書いています。 分析は、字数の都合もあって、ソナタ形式で書かれた第1楽章が中心になっています。